床下エアコン

床下エアコンとは
一般的にエアコンは部屋の壁上部に設置して室内に暖気を送りますが「床下エアコン」では暖気を床下に吹き出すようにして床下から暖める暖房方法。
床下エアコンが成立する条件
どんな家でもできる訳ではありません。
①家の断熱、気密性能が一定以上の水準であること
②基礎断熱にすること
などが主な用件となります。
①については、山手工房の標準的な断熱、気密性能であれば十分です。
基礎断熱とは何なのか
一般的な家は床材の下に断熱材のある床断熱であるのにたいして、基礎断熱は床下も室内と同じ温熱環境にするため、基礎の立上り部分に断熱材を施工します。
なぜ床下から暖めるのか
電気料金がおおよそ3分の1になる深夜の時間帯(23:00~7:00)の電力を利用して、エアコン暖房により床下のコンクリートに熱を蓄えます(蓄熱)。エアコンがオフになる午前7時以降は蓄えられた熱が放熱され始めます。その放熱により暖められた空気を室内に取り込むようしておけば、日中はその放熱で室内が暖かくなり暖房エネルギーが必要ないだけでなく、全館暖房が可能で快適な温熱環境になります

床下エアコンは普及していくのか?
局所暖房から全館暖房へ
床下エアコンによる暖房は全館暖房が原則です。部屋ごとに暖房器具をおいて暖める暮らしから、全館均一な温度で暖めるこの方法は理想的な暖房方法です。
足元から暖める床暖房
床下エアコンによる暖房は床の表面温度が室内の空気より暖かくなります。床暖房と同じように足元が快適な温度となり床が冷たく感じません。
合理的な経済性
暖房エネルギーは、おおよそ3分の1の価格になる深夜電力を利用するため冬季の暖房エネルギーに要する費用が大幅に削減できます。また、暖房用は小さなエアコン1台で全館暖房が可能で、エアコンに必要となるコストが下がります。

寒冷地で配管の凍結を防止するために普及していった経緯をもつ基礎断熱工法は、その蓄熱性や気密性の高さに着目して、様々な暖房器具を利用して床下から家を丸ごと暖めるという方法が実験、実証されてきました。
より暖かく、より合理的に暖房効果をあげるために、断熱性(UA値)や気密性(C値)を高めることをはじめとして工夫が加え続けられてきました。こういった建築的工夫に加えて、暖房に使用する器具についてはヒートポンプ技術の向上と共にエアコンで全館快適な温度が実現できるようになり、イニシャルコスト、ランニングコスト共に、数字をみながら少し考えれば得策であることが容易に判断できる技術になりました。手頃な価格で得られる「冬も暖かい」というクオリティは、これから益々普及していくはずです。

モノの良し悪しを判断する上では数字がつきものですが
「冬でも暖かい家に暮らす」といった住み心地
室内の空気を汚染しない健康暖房方法
環境にやさしい技術
目に見えない部分や心の満足感など、次世代スタンダードになるべき技術です。