屋根のカタチ
前回の続きで、びおソーラーの家についてです。
現在工事中の家は「びおソーラー」を採用しているので、屋根のカタチに特徴があり、「へ」の字の屋根です。
びおソーラーは屋根上のガラス面で太陽熱を集め空気を暖めますが、そのために外気を軒先から取り入れます。
取り入れた外気は屋根下の通気層を通り、屋根材の熱を得ながら屋根材のラス集熱面へと移動していきます。この屋根下の通気層は予備集熱ゾーンと呼ばれ、その距離が長ければ長いほど空気を暖めることができます。
「へ」の字屋根の長辺が太陽光があたる南面の屋根なので、このカタチにしたのは集熱の意味があります。
そして、使用する屋根材は熱しやすく冷めやすい性質をもつ金属葺き。ガルバリウム鋼板を採用しています。質量の大きい日本瓦は気温の下がる夜の間に冷蓄熱されるため、太陽が昇っても容易に瓦表面が熱を持つことはできずびおソーラーには不向きな屋根材なのです。
一般的な家では予算に合わせてカタログの中から屋根材の種類と色を選び、そして、好みのデザインに合わせて屋根のカタチを決めていくと思います。しかし「びおソーラー」の家は、屋根のカタチや種類にも、必然の意味があるのです。
ガルバリウムの屋根材の色は黒。集熱の効率を上げるためには光を吸収しやすい黒が基本で、ここにも意味があります。
家づくりの工種には、深い部分でひとつひとつ意味があって、またひとつひとつの素材選びにも、これはこうだからこれを選択するという意味があるべきで、その数が多ければ多いほど家は良くなっていきます。