パッシブデザインの最終形

パッシブデザインとは建物をとりまく自然や環境がもっているエネルギー(日射・気温・風・雨水・地熱など)を上手に利用できるように建物を設計することで、環境に配慮してエネルギー消費を抑え、快適な生活環境や室内気候をつくろうとする設計の考え方を言います。

冬のパッシブデザインの根本は太陽熱利用にあり、その熱利用に最も有効なのは屋根の上での集熱で、屋根の上で熱を集める手法を採用する「びおソーラー」はパッシブデザインの最終形と言えます。これ以上のパッシブソーラーシステムはありません。

「びおソーラー」は、太陽熱を集熱した上で床下のコンクリートに熱を蓄えさせます。夕方、太陽が沈んでからは、ゆっくりと床下から暖気を放熱して室内に送り快適な温熱環境になります。

びおソーラーの原形は、1970年代に東京藝術大学の奥村昭雄氏により考案されました。そして、集熱、コスト、メンテナンス性に改良が加え続けられ現在のカタチになりました。このメイドインジャパンのパッシブソーラーシステムが、広く世界中に普及しないのが不思議なくらいの優れた技術です。

 

びおソーラーで暖められた熱を逃がさないように、家づくりに断熱性と気密性を加え、UA値、C値を共に0.6前後に保つと快適な住み心地になります。

単なる高気密高断熱が冬型住宅に重きを置き、それを冷暖房エネルギーを活用する前提で成り立つのと比較して、夏冬両方の快適を自然エネルギー活用で実現することは四季のある気候風土に合った日本らしさでもあるのではないでしょうか。

びおソーラーは冬だけでなく、夏も有効なソーラーシステムです。それはまたあらためての機会に。

 

では。