間取り

モデルハウスでやりたいことはいくつもあるのですが、山手工房は「永く住み続ける家」ということをテーマに家づくりをしてきました。なので間取りも、このことを継承したものにします。

 

「自然災害にも丈夫な家を作りましょう」

永く住み続けるには、何があっても命を守れる家が、まずは求められます。

「年月が経過しても価値が失われないように先進性を備えた高品質高性能な家を作りましょう」

「経年美が美しい無垢の木と自然素材で家を建てましょう」

こういった想いで家を作ってきましたが、これらに加えて今回のモデルハウスには「育てる家」ということをテーマに、そのアイデアが詰まった家にしようと考えています。

 

これには、年月が経過して見た目に古くなり、また年齢を重ねた生活にも合わず、家の良さを感じず価値が失われていく一方の家ではなく、年月が経過しても「用と美」の両面において価値が増していくように、また家族の成長に合わせて家も育てていくように、年月が経過した時に、この家を建てて良かったと自然に再発見できるものを備えたものにしたいという想いがあり、それに必要な要素を詰めこむということを意図した「育てる家」です。

 

「育てる家」というと「手を加えないといけないのか!」と思われるのですが、この言葉の意味には年齢を重ねると共に自然に感じていける部分と手を入れる部分の両面を含んでいます。こういった考えを表現する適当な言葉がないか探しているのですが、今はこの言葉が最も適切かな?という状況にいます。

 

結婚して、たまに実家に帰ると「あらまー」と今住んでいる家と比べて、美的に古くなった家を見て、また何の用途もなく時間が止まったかのように取り残されたようなかつての自分の部屋を見たときに残念でむなしささえ感じることがあるのではないでしょうか。私は個人的にも、また仕事でリノベーションや解体工事を繰り返す中で何度も直面してきました。

 

人生100年の時代は遠い先のことではなく、子供が巣立った後の老後を戦いが終わった後のように、また余韻を懐かしむだけの静かな暮らしでなく、もう一度スイッチをオンにしてイキイキとした老後を過ごせることの一助になるような家にしたいと考えています。

 

前置きが長くなりましたが、そういった中でモデルハウスの間取りはフレキシビリティを持ち合わせたものにします。これは家族のニーズ、子供の成長、ライフスタイルの変化に合わせてスペースの用途や間取りをフレキシブルに変更できる家です。

部屋を仕切ったり、取り除いたり、それをカンタンにできるようにします。また、子供の成長に合わせてモノが増えていくことを考えて収納さえも増やしたり減らしたりできるようにします。

 

私の友人の中にも、子供が巣立っていったから「そろそろ」とリノベーション計画の相談を受けることがあります。その時、お金をかけずにリノベーションできる配慮は家づくりで大切なことです。

 

また、時代が必要とする在宅勤務のスペースも確保しますが、必要がないかもしれないので、このスペースも手を加えずに他の用途に変更できるようにします。サーズ、マーズ、コロナと続くウイルスは10年という単位で考えていくと、今のこの状態がおさまっても、この先にこういった問題が再び起こることもあるでしょうし、在宅勤務という働き方が広く一般化していくことも考えられます。

 

「家は建てたら最後」「一生涯その間取りで暮らす」といったものでなく、家族の成長に合わせて変化させていける配慮を持ち合わせていることが理想です。

家づくりを検討中の方々は、現在から10年後くらいをフォーカスして間取りのことを考えることが多いと思いますが、そこにフォーカスすればするほど将来に使いにくい家になっていきます。

家づくりを検討中の方々は、このことを少し頭の片隅におかれておくといいと思います。

そもそも家族の人数でさえどうなるかわからず、どのくらいの収納が必要かということなどピタリと予測できるはずがありません。

 

間取りやスペースの用途をフレキシブルに変更できるプランとして、多くの方々に参考にしていただけるプランにしますので、ご期待ください!

 

では。