風と光で空間をデザインする

エアコンに頼れば快適な温度で過ごせますが、エアコンは苦手という人も多く、その場合、室内の空気を動かせて、換気に努める必要があります。
換気は窓に入口と出口の機能を働かせるとその効果が上がります。入口と出口は短い直線でなく、対角で設けて長い距離にするとより大きな風の流れが生まれ換気効率が上がります。外から入ってきた風は室内で人の体温や電気製品の熱で温められ上昇気流を起こします。上昇した空気を天窓から排気すると他の窓から空気が流入して、家の中に自然と風の流れが生まれます。これは、暖かい空気は上昇し冷たい空気は下降するという自然の摂理を生かした重力換気という方法。床を舐めるように風が入る地窓と屋根に設ける天窓を組み合わせて、垂直方向の風の流れを生み出すとよりスムーズな換気ができ、室内の温度上昇を抑えることができます。天窓がない場合、二階天井付近の窓を開いておくと同じような効果を得ることができます。空気の通り道となる階段付近に窓があるとより効果的です。ピタッと風が止まる熱帯夜でも重力換気が働くようにしておくと、自然換気ができます。

地窓越しに庭の草木を眺め、天窓から青い空を望む
風を招き入れる大きな窓の向こうに木を植えて四季の変化を感じる
窓を対角に設けて視線の抜けを生み空間の広がりをつくる
窓から入る光で室内に明暗をつくる

開口部に工夫をして風の流れをデザインすること、ダイレクトゲインを得ようとして光をデザインすることは空間をデザインすることに繋がります。