家づくりの基本
モデルハウスを建てるにあたり、まず迷ったのが土地選び。
理想的な立地や広さを求めて土地探し、土地選びには随分と時間がかかりましたが、あまり時間をかけても理想に出会うのは難しいということにようやく気づきました・笑。
家づくりは3つの「P」が大切で、それはプライス、プレイス、プラン。プレイスにデメリットがあったとしてもプランで補うことができ、プライスの問題もプランで補うことができます。
プランは大切で、これからいよいよモデルハウスづくりを進めていきます。
モデルハウスでは、やりたいことは山のようにあります。何から手をつけようかという感じです・笑。
注文建築は自由でそれが大きな魅力。
モデルハウスとなると更に自由で意のままに作ることができます。
しかし、全てが自由かというとそうでもなく、これは家づくりを始めようかと考えている人達と同じ。プライスやプランにおいては譲らなければならないことがあります。
譲らないといけないことの中で、まず挙げられるのは法的な問題。
建築基準法は当たり前で、その上に都市計画法というものがあり、まずはこれをクリアしなければなりません。
行政によりいくつかの指定がされている中で今回の土地は第一種高度地区の指定を受けています。良好な住宅地にすることを意図した指定です。
これは簡単に説明するとお隣りの家にも光が入るようにあまり高い建物は建ててはいけませんよというもの。お互いさまのことなので、ありがたいと言えばありがたいのですが、まずはこのことをクリアいていく必要があります。
これもプランの工夫でクリアしていくのですが、それに大きく影響するのは間取り。これをどうするかというところ。
基本的に多くの人の参考になるよう、最も希望の多い4LDKの間取りを予定しています。1階にLDKと和室があり、2階には3つの部屋がある間取りです。
これまで取り組んできた「自然素材」「パッシブデザイン」をベースに、それらを生かす間取り、性能、外観として
「こんな家に住みたい」
「暮らしを楽しめそう」
「幸せに暮らせそう」
と素直に感じてもらえるものにしようと考えています。
長年、家づくりに携わってきて思うことは、いい家を作るためには間取り、外観、性能、仕様を別々に考えるのでなく、それらが関連していて、それぞれを結びつける紐が多いほど最終目標である「最高の家」「幸せな暮らし」に繋がっていくということを知っているということが大切である感じています。
何を言っているのかわからない! と言われそうで
また、理解されるとこれからの打合せがたいへん・笑
になってくるのですが事実なので仕方がないし、家づくりをしようかと考えている人は覚えておいて損はないと思います。
さて、繰り返しになりますが、やりたいことは山盛り。
今日はその中でひとつだけ紹介します。
今年の夏も暑かったので、季節を反映して夏を快適に過ごすためのパッシブクーリングについて。
四季の変化がある日本の気候の中で夏も快適に過ごすために
更に、エアコンのエネルギー代を抑えられるように
そして大きくは環境のことや持続可能な社会の仕組みのひとつとして
今回建てるモデルハウスだけでなく日本の全ての住宅はこうしたらいいのに
もっと言えば、これを建築基準法で義務化するべきだ!
そのようなことを常々考え実践してきたもので
それを一言で説明すると「風突のある家」。
煙を排気する煙突ではなく、家の中に空気を交換するための「風突」をつくりましょうというものです。
風突とは家の中の垂直方向に風の道を作るものです。
ざっくりと絵を書いてみました。
OBのお客様なら「見たことがあり懐かしいのではないでしょうか」
見覚えのある筆跡と絵と思います。
筆には何の進歩も成長もありません・笑
考えていることに進化はあっても変化はありません・笑
厳しい夏の日差しを遮るために2階の窓は深い軒の出で光を遮る。
下屋のない場合の1階の窓には花台を設けてゴーヤやアサガオなどの蔓性植物の葉で太陽の光の入射を防ぐ。
ここまでは多くの人が考えることで、実践している人は多いと思います。
しかし、それでも人体や家電製品の熱で室内は暑くなっていきます。
その熱を排気するために屋根に排気口を設けて
「暖かい空気は上昇とする」いう自然の摂理を利用して屋根から空気を排気します。
家の中央部に設ける吹き抜けや階段が「風突」の役割を担い、それが空気の通り道になります。
こうすると新鮮な空気を取り込み室内の空気の循環をエネルギーなしで行うことができます。
これは過去から実践してきたパッシブなクーリング方法で、その効果は実証済み。
風のない日にも室内の温度差を利用して上昇気流を起こし熱を持った空気を排気できるため、その分だけ外部から空気を招き入れてくれます。
誰も特許をとっていないなら「自分でとろうか!」
とさえ思える仕組みで、お手伝いしていただける方はいないでしょうか???
熱交換を目的とした自然な給気を促す排気だけでなく、コロナ禍の今は室内の空気の換気としても有効。エネルギーを必要としないパッシブな換気方法です。
この仕組みや効果、更にはその他の排気、換気、パッシブデザインについては、まだまだ伝えたいことがありますが長くなるので今日はここまでにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
では、現場へ行ってきます!