家は物足りないくらいがちょうどいい
家の室内を構成する床、壁、天井は、それ一つで存在するのではなく周りとの関係で成り立っています。
木にこだわって家を作っていると、一つ一つのデザインは物足りないくらいがちょうどいいということに気付きます。
床や壁に用いる素材は自然の素材はひとつひとつ異なる表情を持っています。そのひとつひとつの表情が組み合わされて全体としての雰囲気となります。
デザインも大切ですがあれもこれもとなると、バランスが崩れどうしても飽きるのも早くなります。変化をつけたいなら家具などで変化をつけるようにしましょう。
家には光もあれば影もあります。窓の外の庭に木を植えれば葉色の変化を四季の移り変わりと共に楽しむことができます。完成すると、そこには家具、電化製品、ブラインドなど、生活に必要なものがどんどんと入ってきます。それらに統一性が無ければ、まとまりのつかない家になっていってしまいます。
白を基調に温もり感のある無垢の木を組み合わせて、できるだけシンプルにつくることが大切で、少し物足りないくらいがちょうどいいと考えています。
白い壁
ひとつひとつを見ればいいものでも、全体として調和していなければ、家はよくなりません。
また、あまり作り込みすぎて、主張が強すぎると家は取扱いが難しくなり、必要最小限の家具でも余分なもののように感じられます。家がシンプルであればどんなインテリアにも似合います。白い壁なら、この先に買い足していく家具、絵、グリーンを吸収して包み込むことができます。あとは無垢の木床と温もりを感じる照明があればそれで十分ではないでしょうか。
必要なものをひとつひとつ買い足していくことに面白みを感じながら暮らしていくと、住む人の個性や好みが映し出された世界にたったひとつのオリジナルの家になっていきます。「流行に左右されない家」「飽きない家」にするためには、他の良さを美しく浮き上がらせ、引き立ててくれる白い壁が必要です。