木の話
国産材・尾鷲材にこだわる
尾鷲は滋賀の隣り、三重の中部に位置します。温暖で降水量の多い尾鷲地域は年間平均気温15℃,年間降水量5000mmという温暖で湿潤な気候。腐朽菌の生息に好ましい過酷な気候条件の中、70年、80年と生きぬいた尾鷲ヒノキは「選ばれた木」であって、森の中の腐朽菌から自らを守る成分を持っています。
山手工房が国産材の中でも尾鷲ヒノキにこだわるのは、芳香が強く、油分が多く耐久性が高いからです。今、日本の各地で、国産材を使用した家づくりが行われています。目的は地域循環型経済であったり、輸送時の二酸化炭素の削減であったり、掲げる目標、目的は多岐にわたります。そのような中で、山手工房の家づくりでは、国産材を使用する社会的な意義、必要性より、もう少し、現実的なことを目標においていて、「家の長寿命化」を最優先に考えています。その結果、選んだのがヒノキであって、その産地は「尾鷲」が最適と考えています。
日本の山の現状
国土の三分の二を森林で覆われた日本。世界第三位の森林率でありながら、国内の木材消費量の80%を輸入に頼っている現実は異常と言える状況です。戦後の拡大造林という施策の結果、現在樹齢60年以上の山林は200万ヘクタールあると言われています。しかし、安い輸入材におされて国産の木材は売れず放置されたままになっています。
輸入木材の問題点
異なる環境で育った輸入木材を日本に持ち込んで、日本の風土に合うのかという疑問がわくと思います。答えは 「ノー」です。それは、シロアリの生息していない北欧などの寒冷地の木は耐蟻性を持っていないからです。
温暖湿潤な気候の日本は、カビが発生しやすく有害なシロアリなどの害虫もたくさんいます。国産の木はそれらから自らを守るため防腐、防虫成分を持ち合わせています。木に含まれるヒノキチオールは、その芳香でシロアリを遠ざけます。構造材は完成すると見えなくなってしまいます。しかし、家の性能を左右する大切な要素です。家を建てるときには、土台や柱にこだわりましょう。